右之助丈大活躍

2017.3.16

3月14日

引窓の母親役と助六の後見で 市川右之助丈熱演。

ひょっとして引窓の主役は母なのではと思うくらい。

新蔵丈と共に長らく学習院国劇部のご指導をいただいている。

助六は前の歌舞伎座で最後に観た時より演者に馴染んできている。

場を踏むということなのだろう。

花道から離れた席だったので瞬間私が一番好きな11代目がそこに と見えることがあってこれが伝統芸 と嬉しかった。

いろいろ考え自分のものにしているが時にリアクションが 助六という古いゆったりしたリズムから外れる。

外部での新規観客獲得用演技との使い分けが必要と思われる。

兄 白酒売りに喧嘩の仕方を教える ”屋形船を蹴こむぞ” は悪くないが 11代目にはもっとほわっとした間があった。

家に帰ってはその仕草を一人で試し悦に入っていた頃が懐かしい。

 

眠くならないクリスタルボウル

2017.2.25

祇園精舎の鐘の声 に一番近いと思われる音 クリスタルボウルの演奏をお聞きください。

手のひらを上に リラックスして 演奏中寝てしまって構いません。皆さんあっという間に寝ます。

とのこと

素直にその通りにしていたが どんな動きでどう演奏するかに興味が行ってしまい いつまでも同じボウルの周りを擦っているのがポイントなのか とか それを定音部にしながらちょっと入れる他のボウルの音を さあ次はどこに行くか 私ならあの赤いの などと見ていたらあっという間に30分が経ってしまった。

無常堂に寝ている和尚さんたちのためにはもっと澄んだ 間の良い玻璃の音でなくては

聞かせよう という意識がいけないのだと思う。

なかなか難しいものです。

クロイツェルソナタ

2017.2.23

ロシア文学に日本の文字を当てはめるヒントを という私の問いかけに プーシキン の名をあげてくださった方がいらしたので早速丸善へ。

そういえば モスクワの通りで プーシキンと奥さんの像を見た と思い出すだけの情けなさ。

以前お世話になった書店の方が 岩波はすぐ切れてしまうので と言いながら 数冊選んでくださった。

同時に 誰の作品でもいいので興味の持てるもの とお願いしたら トルストイのクロイツェルソナタをご本人がいかにも楽しんで読まれたことがわかる様子で勧めてくださった。

ベートーベンの曲は知っているが クロイツェルとは何なのか 音楽のテンポの名前か?などと分からないままに読んでみた。

長い独白で一人の男性の考え方が延々と述べられている。昔なら飛ばし読みか途中でやめるかしたかもしれないが 今になれば小さい頃聞きかじった世間での様子 や 小説その他で表面に現れる態度の内面にはこうした揺れる思いがあってのことか と理解できる。

と考えていたところに突然クロイツェルソナタという文字が 私の知っているクロイツェルソナタのままの意味で文面に現れた。ああここで使われたのか と分かった途端曲が頭の中を駆け巡り ちょっとそのまま読み進められなくなってしまった。

ロシアとヨーロッパの近さが分かっていなかった。

ものを知らないこと 手がかりからちょっと知っていたことに結びついたこと ドキドキしたこと 面白い体験だった。

しばらくしたら最後まで読むことにしよう。

新しいクラスへの準備

2017.2.10

20年近く銀座 東銀座 外苑前 と場所は変わりながらも続いていた元JALのカルチャーセンターのクラスが4月から青山一丁目のビル内にあるNHKの教室に移ることになった。

かって 特別機のアテンダントをされていらした方達が優雅に気を配ってくださる恵まれた環境でのんびりとやってきたが 先日打ち合わせに伺ったNHKカルチャーセンター受付に置いてあるチラシの多さ、たくさんの部屋でいろいろなお勉強をしている様子を見ると私も少ししっかりしなければいけないと ちょっと 思った。

大判チラシのトップに 話に聞いていた門倉多仁亜さんの教室紹介があった。 人気で パッと満員になってしまうと聞いている。

彼女も彼女の旦那様も灰汁のない落ち着いた大変良いお人柄で細く長いおつきあいをさせていただいている。

先日お二人から聞いてフムフム と思ったのだが あちらは 私が 何も気にせず 好き勝手なことを言うのを見るのが楽しいのだそうだ。 アレー!

彼女のお父様が 私を銀座の教室でクラスを作れないかと 紹介してくださった。

’ ”大変混んでいて空きがないので しばらくお待ちいただくことになると思います。” とのことなのですが 一度行ってみてください。’ と言われ行ってみたら その場で時間調節をするから次期からどうぞ ということになってしまった。

私の返事を聞いて ”あのように 難しい と言っていた私の立場はどうなる とカルチャーセンターの事務局に言ったところです。”と笑いながら面接無事通過を喜んでくださったことを思い出す。

さて 昨日伺ったところによると 14日バレンタインの前日 NHKテレビのあさいちで門倉多仁亜さんのチョコレート作りが紹介されるとのこと。楽しみにしよう。

皆様もね

しらぬい譚(ものがたり)

2017.1.14

13日

国立劇場開場50周年記念 新春歌舞伎公演

尾上菊之助筋交いの宙乗り相勤め申し候

玉手御前 と猫騒動 が一緒になったよう話だが あまりこちらが善であちらが悪 といった感じの物語ではない。

お正月 おとぎ話を賑やかに となかなかよくできている。

宙乗りで 蜘蛛の糸を広く華やかに撒き 会場効果は一番

筋の下の席ではなかったが 花道に落ちたのを幕間に入手 隣の二人の女性にお福分けをしたら山田やのお饅頭をいただいた。

昔 ちびっこ歌舞伎全盛の頃 幼い役者のみんな 楽屋で蜘蛛の糸をもらい遊ぶのが楽しみだった と何処かで読んだことがある。昭和30年代後半ではないかと思うが 確か一つ 当時で750円かかってる とあったような気がする。

とても薄く表面がツルツルして裏はひっかかるような細く長い長い紙だった。

花道 といえば これも国立劇場で 團十郎丈の大変大粒な汗が落ちていたのを指ですくった感覚が忘れられない。

でも なんとなく 国立劇場は着物で晴れやかに という感じでないのが 悲しいところ

ロビーの広さ高さは素晴らしいが 小屋の中の濃い茶色 花道の低さ(役者を見上げるという感じがない)桟敷の無さ 提灯など経費節約しすぎ だからではないかしらん。

 

 

頑張って見た初夢

2017.1.3

昨夜 あっと思い出し 父が元気だった頃のサライ2001年新年号に挟んである宝船の絵を枕にして休む。

何度か映像が出てくるが イメージとしては残らず 違う 違う と頑張って、、

きちんと出てきたのが 綺麗な はっきりした目で正面を見据えた赤い鶏冠の鶏の頭のアップ

これは忘れられない

今年これからの元気付け

日の出る前の空の美しさを楽しみながら皆様に新年のご挨拶を

 

ウクライナ 日本語弁論大会

2017.1.1

去年3月 キエフ大学で 書のデモンストレーションをした時に会場にいた学生が現地の日本語弁論大会で 下記のような内容の話をしたと聞いたので 要約文章をそのまま転載させて頂く。

大学に入って日本語の勉強を始め 新しいこと 日本の文化についてたくさん学びました。

大学のワークショップで ’雪’ という漢字に色々の書き方がありニュアンスがあることに感動しました。書道家の話も面白かったです。

その後 書道の勉強を始めました。

頭の中に一杯考えることがあると上手に書けないことがわかりました。

書道は川のようです。

川の水も漢字も外から見ると変わりません。川の水が絶えることなく流れているように漢字の中にある意味も書道のスタイルによって変わってしまいます。

書道は私の生き方を変えてくれました。

’ものごとをやる前にいろいろ考えるのではなくとにかくやってみる’という気持ちが大切だとわかりました。

’私はどんな人ですか’ という問いかけの答はまだ見つかっていません。でもそれを気にしなくなりました。考えるより何かをする方がもっと大切だと思えるようになったからです。

展覧会終了

2016.12.17

多数の皆様においでいただき、慌ただしい一週間を過ごした。

自身としては不完全燃焼だったが次回への戒めとしたい。

 

パーティーで、細く長くお付き合いいただいている評論家の先生と

この十二月でお店を閉じ研究生活に入られる神田清雅堂さんの御主人との対談をお願いした。

地味なお話になると思い、書の世界に本当に興味を持っているかどうかあやしい出席者の方々にどう受け入れられるか不安だった。

「あちらが痛い、誰がどうした、という様ないつでも出来る話に時間をさくのはもったいない。

今夜はこちらの話に注目して欲しい」と私が最初に頼んだのが効を奏し、耳を傾けていただけた。

お二人とも本物は何かを常に考えていらっしゃる方達なので話がぶれず、今働き盛りの方達にも共感いただけたようだ。

いままでの蘭の会のパーティーではゆっくり戴けなかった外国人記者クラブのローストビーフも

今回は抽選会の間にしっかり楽しませていただいた。

次の日からの活力を生む一日だった。

今日から 勁い和 展

2016.12.6

1986年 銀座越後屋ギャラリーでの最初の展覧会から 今回までなんども書展を開いてきているがこの30年間 先へ先へ と希望と嬉しさで自分の思うままに進んでこられたのはなんと幸せだったのかと改めて思った。

世間の書のプロの世界から遠く離れた場所で 好き勝手なやり方を続けている。

書く人 仕立てる人 会期の軌道に乗せる事務 写真 水屋  気分を盛り上げるイベント その他、

キリがないが それぞれの分野に適した方達の存在なしにはことが運ばない。

今までは恵まれすぎる状態できたが 需要が少なくなっている世界でのすぐれた技術の継続 がこれからの大きな課題になってくると思う。

小さい個人の力ではどうにもならないことなので 皆様のお知恵をお借りしたい。

では 良いお天気の初日 これからおめかしして行ってきまーす。

皆様会場でお待ちしております。

お声をお掛けくださいましね。

 

エルガー:エニグマ変奏曲

2016.11.27

11月26日

愛の挨拶しか知らなかったエルガーだが

公演前に行われる事前攻略レクチャーに参加して

興味を持ってエニグマ変奏曲を聞く。

情感豊かな曲で会場は大盛り上がり。

そのままシンガポール生まれの若いハンサムな指揮者が

「皆様に特別にお届けするシベリウスのアンダンテ・フェスティーヴォです。」

と紹介したアンコールの曲に酔って帰路についた。

 

ところで、

鳩居堂さんでの展覧会は12月6日に始まります。

私は今、家の中で会場に持って行く荷物の隙間で生活しています。

 

奈良で書いてきたお皿です

2016.11.23

三寸です

2時間かけて摩っていただいた金がのっています

12月6日〜 鳩居堂4F にて展覧会です。

お待ちしております。

展覧会のお知らせです

2016.11.23

小澤 蘭雪・蘭の会 書作展

平成28年12月6日(火)〜 11日(日)

午前11時 〜 午後7時

銀座鳩居堂4階

 

勁(ケイ、キョウ)は、字義は つよい すこやか かたい するどい

意味は まっすぐ まっすぐで力強い

直線的なものは強いので勁(つよい)と言う

 

勁草 つよきくさ

激しい風が吹いて、初めて強い草が見分けられる。

困難にあって 初めて節操の固いこと、意志の強いことがわかる。

 

勁松彰於歳寒

つよき松の節操は歳寒の時に至りてあらわる。

等と 辞書にありました。

このような思いで、書こうとしましたが

大変難しかったです。

 

皆さまどうぞ、おでましください。

会場でお待ちしております。

 

 

神田須田町の清雅堂さん

2016.11.12

昭和3年に創業された清雅堂さんがお店を閉じ、

旦那様が書の研究生活のみに入られることになった。

私にはハッピーリタイアメントに思え、

今日、清雅堂さんからお招きをいただいた食事会に

嬉しく出席させていただいた。

天下の清雅堂さんからこのような小人数の会にお呼びいただいたことを

娘に書の楽しさを教えた両親としては、喜んでいるに相違ない。

出席者の一人の方が、「旦那様がいつもご自分のことを「手前どもが」とおっしゃっていました。

このような仕事に対するお姿が素晴らしいと常々思っていましたが これからこの「手前ども」がお店で聞けなくなるかと思うと寂しい。」とスピーチされた。

群馬生まれの私は「手前、生国発するところ上州でござんす。上州、上州と言ってもいささか広ろうござんす…」という台詞を思い出し、下を向いて笑いをこらえるのに必死だった。

 

シューベルト ピアノソナタ第21番

2016.11.5

11月4日

伊藤恵 さんのシューベルト

10分の休憩の後の21番

この曲は素晴らしいと思いながらも渦の中に吸い込まれていく感じで息継ぎが出来ず 疲れが溜まっているからか と 内心でもがいていた。もうこれ以上続いたらどうにかなってしまうのではないか と終わる頃には恐れたくらいだった。

シューベルトが大好きで 畏れから若い時演奏するのを控えていらした時期がおありでいらした という演奏者は10数年以前同じ音楽会で聞いた時もとても印象に残るかただった。

その方が 21番演奏後一旦引っ込んでから出ていらっしゃり 最後まで倒れずに弾けるかどうか不安だった と仰った。この曲の後ではどんなアンコール演奏もできません との言葉に会場のみんなは同感の強い拍手を送った。

円成寺

2016.10.30

10月28日

京の明け方の冷え込みが強く もっと寒い奈良の山奥に行く予定の私は テレビを見れば一日雨 とあるし、覚悟を決め近鉄特急に乗る。

先日書き足らなかった分を書くことと焼けたお皿に少し金を載せてみようかということからの奈良行き。

陶芸の先生が二時間もかけて擦っておいてくださったという金の取り扱いの難しさを聞いていたのだが これからその道の専門家になれる訳もなく、字 が本道なので その邪魔にならなければ良いのだから、 と気楽に 面白がってやってしまった。

と言っても

頭の芯がキラキラするのが収まらず 赤い靴を履いたような感じだったが

早く終わったから と 帰りに案内していただいた思いがけない美しい紅葉の円成寺で  運慶の若い時の作とされる大日如来像を そこに置いてある手製の紙の眼鏡のようなものをガラス戸にピッタリつけて拝見しているうちに少しずつ興奮が収まって、その後 暗い本堂に座って 室町時代に描かれたという柱の絵やご本尊様を前にしていると 敬虔あらたかな という言い回しを身を以て納得できる感じがした。

ありがとうございます。