至福の時

2018.2.22

2月22日

昨日からジェーンエアを見続けている。

十数年前当時持っていたテレビのBSからビデオに撮った映像でこの映画をずっと楽しんでいたが その後 テレビもなくなり見ることが出来なかった。

色々なジェーンエアの映画を見たが 私はこのウィリアム ハートがロチェスター氏 を演じるものが一番気に入っている。

子供の頃から シンデレラ物語と思っていたが 今回 テンプル先生が子供たちに ”Intelligence  and proper education will give you independence of spirit and that is the greatest blessing of all.” と言い、ジェーンがロチェスター氏に ”私はここで平等に扱われた”と言うのを聞いて、ロンドンのナショナル ポートレート ギャラリー で見たブロンテ姉妹の肖像画に見られる切なさ、1800年代のイギリス女性を思い 今になってやっと作者がこの作品で言いたかったことがわかったような気持ちがした。

年をとって あの人にあの時どうしてもっとしてあげられることを思いつかなかったのだろう と後悔するばかりだが

でも 年をとってやっとこのように経験や考え方を膨らませて理解できる嬉しさもある。

子供の時読んでいた世界ナントカ全集の挿絵や文章ががそのまま映画になっているようで そして 8年通った英国の美しい自然を思い出しながら

至福の時を過ごしています。

 

マクベス

2016.6.4

6月3日

そうだ マクベス を見なくては と思い出してシャンテ へ。

私は夏の良い時期のスコットランドしか知らないけれど 古城や海を思い出しただけでも 今回の映画がマクベスの時代の 土地 その他を表現しているのではないかと思えた。

主を自分の城に迎えて殺すのだが 普通に思い描く城ではなく 部落、 野戦テントの集合のようで神を祀る小屋が一番まともな建物 といっても立派な掘建小屋クラス。

暗さ 雨 ぬかるみ  と重い風景のみ。

マクベス夫人が ミッドナイト イン パリ の中で活躍したMarion Cotillard で この女性ならピカソもヘミングウェーもその他誰でも魅了されたのは頷ける と思わせた女優さんだが この映画では 戴冠式の場面も豪華な生地なのは解るが抑えた色調の衣装できらびやかなものはない。

それだけに 手と血の場面も抑えた演技で ’自分の胸の中で乳を飲んでいる子供も平気で殺すでしょう’ というくだりも冷たくなく淡々と述べている。

今までは 焚き付けておいて自分が先に神経的に参ってしまって 旦那のためにならなかった女性といった印象だったが この映画では最初から最後まで良心の呵責におびえ続けるマクベス、 一度も 達成感を得ることなく時を通り過ぎたような描かれ方で 夫人はある意味男性より広い気持ちで出来事を受け入れていた というふうに感じられた。

それにしてもなんとも上手な役者さんだ。

昨日受け取ったグローブ座からの雑誌にこの映画での衣装が8月まで展示されているとの記事が出ている。

今年の夏イギリスに行かないのが残念!

嬉しいこと

2015.10.17

10月17日

昨夜たまたまパソコン上でケネスブラナーのヘンリーVを見ることができた。

ずいぶん昔テレビからとったテープで何度も見て楽しんでいた劇なのにここ10年ほどテレビが変わり見る機会がなかったので 懐かしく嬉しかった。

’12の夏 湖水地方のハイアムホールに私を訪ねてきた知人が ”今夜 ヘンリーVが BBCであるから、”と教えてくれて いつもラジオだけの一週間を過ごすところで 夜の書のクラスも早めに切り上げ応接間に一台あるテレビで新作を見たことがある。

画面が綺麗なせいか なんとなく薄い感じがした。ブラナー編の方は周囲の役者が誠に特異な風貌の 演技も上手な人たちばかりで印象が深く 主役も放蕩時代を過ごしたのちに国王になったという役にぴったりで。声 台詞の間がなんとも言えず英語でほとんど理解できなくても良い心持ちになるものだった。

この夏現地の人といろいろなところで話をしていて ”あの場面のあの言葉” を思い出せずに歯がゆい思いをしたが今回フィルムを見たおかげで ちょっとお勉強をしましょう という元気が出て 英語と日本語訳の厚い本をひっくり返して ”コレコレ ”と引っかかっていた原因をその中に幾つか見つけて落ち着きました。

8年続いたハイアムホール、日本の書のクラス

2015.8.3

昔からの友人が将来私もどこかで書の紹介が出来るようになって欲しい、 と知り合いの陶芸家 道川省三氏を紹介して下さった。 イギリスの陶芸では一番というギャラリーに認められたのを発端に 目覚ましい活躍を始められていた道川先生は大変気さくな方で 「では、来年の夏一緒に湖水地方でクラスを開きましょう」とおっしゃって下さった。 ‘08の初回から今迄つながったクラスはデモンストレーションを見に来た人々、 一日コースで書にふれた人々、自分の勉強したいことを一年かけて準備して来る 人々、家族の動静で来られなくなっても顔だけは出しに来る人々、 又知識を得るのが大好きな人々(インターネットのお蔭で彼らの調べているものを 私は取捨選択するだけなので本当に助かっている)、 感覚が鋭く、初めて筆を持って書いた字はアラどうしましょう、といったものの でも、一週間で自分も驚く程の上達ぶりに喜ぶ人々 (こちらも知識組が新入組に漢字、カタカナ、ひらがなから藤原行成までを教えてく れるので私は救われている) 皆様が推量できるように日本の書というマイナーなクラスに興味を持つような変わった パーソナリティーの人々との8回目の夏はその都度に私の目を覚まさせた。 上層部が代わり、何となく変って来た去年、今年を区切りの年にしようと決めた次第です

 

失礼しました。

2015.7.23

一ヶ月もブログを書かなかったことに気づきました。

今年8年目を迎えたイギリス湖水地方ハイアムホールでの書の講習会にまいります。26日から31日です。

31日にスコットランドに移動 8月6日先ほど書いたオープニングパーティーがあるのは

Letters for Rabbie   A Homage From Scotland, Iran And Japan という展覧会です。

8月7日から11月1日まで スコットランドの Linlithgow Burgh Halls で開かれます。

どうぞお出かけくださいまし。

泥縄悳子

2015.7.23

あと数日で出発という時になって 展覧会用小冊子の最終ドラフトをちゃんと読み出したら 人が書いている文章に私の名前がずいぶんでてきているのに気付いた。

何を言われているのかわかりませんでしたとは言えないことを認識、有能な友人に相談。

誠に私にとってわかりやすい解説が彼女から帰ってきて これでまあ大丈夫 と思ったところ 夜遅く 事務局からのメールが、、、

”私は寝ます。明日読んで返事をします。”と書いて失礼してしまった。

昼間出先で読んでみると、

オープニングパーティーで出品者3人とバーンズ生家の記念館館長さんとでギャラリートークをすることは知っていたが 何か食べながら作品の前を歩いて 実際は喋る人に任せ自分はニコニコしていようと思っていた私の予想は全く外れ、、、

担当者の挨拶や出演者紹介の完成された文章が書かれている。

そして真っ先に大変興味を持たれる目玉 のように私のことが述べられている。アレー!

四人で壇上に座って 何と何と何について述べて という内容でビックリ

また 友人を騒がせおります。

明日朝早いので ここまで

出先からまたご報告を

ホテルから 朝 6時

2015.6.7

8/3 言いたいことを

2014.8.4

“テーブルにひじをついて食べません”と書いてあると聞いて、
ランスのルーブルでおみやげに買ったお皿。

幼稚園児全員に寄付したい感じ。

8/2 ランスのルーブル美術館分館へ

2014.8.2

一日かけてランスに出来たルーブル美術館分館へ。

白、パール、灰色のムードの大きなカマボコ、トンネル状態の建物。

写真での案内通りの印象で、一渡りで全展示が見えるのだが、やはり数が少なく寂しい感じ。

 

主の建物とは別の場所でのきちんとしたレストランでの食事はどれも素晴らしく美味しくて、満足満足。

 

パリ ルーブルのこれでもかという重厚、重圧感は得難いものと納得。

 

ちなみに私のTシャツは“異”です。

二回あるお茶の時間。

2014.7.31

二回あるお茶の時間。食べて、飲んで、書いて、食べて飲んで、書いて、の毎日です。

飲むのは勿論お酒ではありません。

7/29 生徒さんよりメッセージ

2014.7.29

イギリス ハイアムホールでのワークショップに参加いただいた生徒さんよりメッセージをいただいたので、ブログに載せたいと思います。

Dear Ransetsu

Learning Japanese calligraphy at Higham Hall with Ransetsu Ozawa is more

than just making marks with ink and a large paintbrush.  We learned

different forms of calligraphy starting with Chinese characters, through

Katakana (like capitals) and Hiragana (more abbreviated) to a form of

script that feels more like more like scribbling.

 

Ransetsu is a lovely lady who has wonderful stories to tell of her

workshops with Saudi princes and Royal Academy of Arts members and her

Robert Burns exhibition in Edinburgh .  She is also very knowledgeable

about the history of calligraphy in Japan and despite a tendency to

chatter in Japanese, she is an encouraging and interesting teacher.  We

worked very hard for her and I went away with a portfolio of failed and

successful attempts to write my name and other words.  I just wished it

was as easy as she makes it look.  A lovely course and a delightful tutor.

 

Thank you Ransetsu and enjoy your week at Higham

best wishes

Kate

7/29 ひどい英語

2014.7.29

イギリスの立派な方から今いただいたメールに「あなたのチャーミングで興味深い手紙をありがとう…」とあったので、大昔、アメリカの医学会の大ボスと手紙のやりとりをしていて、「あなたの手紙は素晴らしいワインの様でいつも楽しみだ」と言われたことを今思い出した。

嬉しいけれど要するにひどい英語ということなのよ。

何でも好きなことをパラパラと書くのでニコニコしながら気楽に読んでくださる方もいるということ。

「ワーズワース美術館での書の展示の写真を見て私は泣いてしまった」と湖水地方出身のこの方の言葉が添えてあったのがとても嬉しかった。

7/28 あぶない情報

2014.7.28

ハイアムホールでの今年のクラスの数人は日本のうたを書きたいというので、まずは粘葉本のいろはから百人一首から解り易い秋の歌を選ぶ。三十七番文屋朝康。

英訳はインターネットで捜して、と言うと「白露を」となっていると言う。私の用意したおせんべ屋さんの小冊子は「白露に」となっている。

助けを日本の二人の優秀な同窓生に求めるとあっという間に「白露に」だと答えが返ってきた。素晴らしい。

 

昔、私がこれは危ないと思ったのは、逸勢の字を習っている時、パソコンで逸勢について書いてある文章を印刷して私に見せてくださった方がいらした。

何か自分のコンプレックスを相手が直に前にいないので安心して書く文章で晴らしているように受け取れたものがあった。

間違った、その人だけの想いを寄せられては困る。活字になっているといかにも正しそうに見えるのでもっと困る。その初めての経験以来、パソコン情報は眉につばして見るようになった。

7/26 オックスフォード卒業式

2014.7.26

昨日はハリエットさんの息子ヴェネディクトのオックスフォード卒業式だった。なんと一番で卒業したとか。子供の頃から知っているので、信じられない感じがする。

式のとき、校長先生が「皆さんがこうして元気に卒業、世に出られるのも、両親の支えがあってこそ。」と上の回廊にいる親達も感謝の意を持って見つめるようにうながしたという。悲しい離婚の後、十年ぶりに始めて前の夫と隣同士に座っていたハリエットさんは、涙が止まらず隣の元御主人とごく自然な気持ちで一緒にいられたことに自分でも驚いたと言っていた。

別れるに際し、憎しみの連鎖という無益な行動を慎んだお陰、と彼女は言った。ハリエットさんと私が知り合ってからの二十年ほどを振り返り感無量だった。

上手なシナリオ作家がいれば良い一篇が出来るなあと思った。

■ハリエットさん宅のお庭にて

7/26 リージェントパーク

2014.7.26

リージェントパークでゆったり読書をしたり、美味しいケーキを食べたりと絵に描いたような優雅な時を過ごした後、車を拾える道になかなか出られず、随分あちらこちらと迷い歩き回ってしまった。

Googleマップを見ても公園内の看板を見ても You are here. しか理解できないというのは困ったものです。

 

着替えてザ・グローブに

駅の周囲も河岸の道も大変な人出。年会費を払い、買い物を。久しぶりに展示室にも。

ロンドンオリンピックの前の夏、ワーズワース美術館での展示の様子を示す写真を持って名を知った係りの人を訪ねたところ、オリンピックの年、野外巡回公演に同じ嗜好で私の作品を使えるかもしれないと言われた。

シェイクスピア作品を題材にした展覧会を現地でという夢を持っている私は、大喜び。

ワクワクした夢見心地の足取りで、橋を歩いて渡ったところで、教会の鐘が鳴り始めたのも何か吉報のようで、あの様に嬉しかったことはない。

その話は立ち消えになってしまったのだが、今日もその時と同じ橋を同じ様に通り、その時の天にも昇る心地を実感として思い出すことができた。

■リージェントパークにて

■ザ・グローブにて