昨日国立博物館で

2019.4.19

風信帖を一緒に見た方たちと別れ今まで二回共ショートカットしていた会場内をゆっくり歩き

初日に ’東寺 弘法の湯’ という入浴剤をまとめて送ってもらう手続きを頼んだ売店の男性に ’品物 無事到着 役立ちました’とお礼を言って ’覚えています 覚えています ありがとうございました’ とニコニコしていただき

出口で 何か飲み物を でもやはり何かお菓子を と 結局一番大きな光悦まんじゅうを手にしてしまった。

テーブルが一杯だったので ソファーで膝の上にお盆を置いて 付いてきた羊羹用ナイフのような大ぶりのカッターで普通のお饅頭の3.4倍はある品を切っていたら そばのテーブルから よろしければ一緒にここで と声をかけていただいた。

よし 手伝ってもらえば助かる とその二人におすそ分け 話していると アジアで18年 そのうち12年を現在上海でイタリア料理店を経営している人とシェフだった。

18年もアジアにいて 日本には初めて3泊4日で来たとかでその感激の仕方が大きく 私は久しぶりに新鮮な観光客に会った思いがした。

今の観光客はスマホの画面と現場にしか目をやっていないように見える。

日頃の喧騒を離れ 美味しいものを食べたいというので 6席の天ぷら屋さんと宣伝していないお鮨屋さんの話をすると 昨日お寿司を食べたけれどその宣伝していないお店にいきたいとのこと

心配するより 幸い暇なので 私も一緒に ということにした。

わたしは早く帰るので この額を置いていくから 残りは自分たちで払いなさい とメモに書いて見せた。

もちろん僕たちが招待する と言ってくださったがそうはいかない

少し早くお店の旦那様に出て来ていただくことになったが 時間があるのでゆっくり公園内を歩いて

これが一番古い野球場 イタリアでは野球はしない と関心なし

コルビジェ設計のビル 中を見なくてもいいや

まだ咲く美しい桜 美しい と綺麗 の違い 上手に説明できず

キョロキョロして足を止めなければこの道を通って次の駅まで歩こう と言って アメ横に入った途端 その条件はどこかへ飛んでしまい

浴衣を、 ガールフレンドに着物を買う、 とあれもこれも欲しくなってしまった。

新しいものも、 着ないままタンスから出て来たと見える綺麗なものも選り取り見取りで 気のいいお店の方が 最後に羽織の紐や鼻緒の色がしっかり見ればちょっと違うかなあ という男物の大きな下駄などプレゼントしてくださった。

アメ横に入る手前の信号を待つ間 ’外国で この一瞬 この人 が一生のその国に対する思い出になることがあるが 今が その時だ’ と言っていた。

私も スイスというと こちらが何か聞いたわけでもないのに道路の向こう側から飛んできて 道を教えてくれた太ったおばさんがまず脳裏に浮かぶ。

でも この感激した話を日本に帰ってスイス大使館の男性にしたら ’それはスイスが観光で食べているからですよ’ とあっさり言われ ちょっとそのお役人にがっかりしたという事実も付録になっている。

さて 30代40代と見えるイタリア人二人組は銀座の着物姿の綺麗な女性たちに目を奪われながらもサッサと歩く私について無事カウンターへ

それからの 食に対する態度 店主に対する尊敬は 自身の深いところから静かに出てくるものと解る見事なものだった。

ご主人も 解る人には解るのですよ と喜んでくださった。

用意してあった私の封筒は こんな時はまあいいじゃあありませんか と受け取っていただけず ご馳走になりました。