至福の時

2019.4.9

桜の木の下で花びらを浴びていると そのひとひらひとひらが 実は 周囲の愛でる者たちをこのまま樹の中に吸い込む序幕を演じているのではないか とちょっと怖くなることがあるが

ここ10階の空に舞う花びらは 上昇気流に乗っているせいか 軽やかに キリッとした動きで上がるだけ上がるとゆっくりと横に 斜めに時間をかけながら漂っていく。

この季節 この風景にその都度新鮮な愛おしさを覚え 浄化される思いがする。

管理人さんはとてもこまめに周囲を綺麗にしておいてくださる。

今朝 黒猫ステーションの奥の方に花びらがあったので ’まあこんなところにまで お邪魔して’ と言ったら ’花びらが入ってくるのを見ると心が安らぎます。’ と

そしてさっきエレベーターで一緒になった佐川のお嬢さんは ’このマンションのそばに来ると立派な桜がたくさん見られて良いです。散る花びらの中を配達していると嬉しいのですが その度に悲しくなります。’ と言ってくださった。

 

 

 

 

写真は「太田の庭の桜」