思わぬ拾い物

2019.3.26

ただ日にちの関係だけで切符をとった今日の国立小劇場での歌舞伎公演、

真山青果の元禄忠臣蔵御浜御殿  扇雀丈のセリフは良いが 相手役は声は良いのだが 気分が上滑りしている。

昔 真山美保氏が家にいらして興行を依頼され 断ることが不得意な父がああまた引き受けてしまった という母の声が 地方で台詞劇 というのもねえ という言葉と一緒に耳に残っている。

今日の舞台も拍手も多く皆熱心に聞いて楽しんでいたが 20年前だったらここでも拍手が起きたに相違ない というところがスルーされてしまっている。内容に思い至らない ということなのだろう。

ここしばらく ブログを書く言葉を思い描いてはいたが キーを叩くまでに至らなかった。

いろいろな考え方を認めなくてはいけない という今の風潮は かえって反対にその風潮以外のいろいろな考え方をすることは許されないのだ ということなのではないか? と 何か面白くない 諦めのような気持ちになっているのだと思う。

さて 次の出し物 積恋雪関扉 今まで見た大ベテランが演じるこの長い舞踊劇は退屈にしか思えなかったのだが 今日の主役の二人は素晴らしかった。

菊之助丈の溌剌としたきれ と古風な顔立ちの安心して見られる技量を持った梅枝丈。このような力のある若い女形の存在を知らなかった。

この二人 先が見えない世界にある時不思議と現れることがある 救世主 にならないかしら。