今日の桜

2015.3.31

今日の桜

第23期大和スコラー修了式 

2015.3.20

英国から大和基金によって日本に招かれた優秀な留学生が19ヶ月をどう過ごしたか という日本語でのスピーチを聞く。

男子4人女子2人 日本語学校で1年、地方でのホームステイ1ヶ月 その後専門分野で研修を受けてこれからそれぞれの道を進もうとしている。

彼らにとって学校や本で習った日本語が通じづらい鹿児島 やその他の地方でのホームステイというのが 日本人をより理解する鍵になっているようだ。

一人は ホームステイをした家族から ”あなたの家の鍵よ” と東京に戻ってから 鍵が送られてきた と感激して話していた。

通じていたのは、日本人が相手の立場に立って考える習性を持っていることに来日直後に気づき 19ヶ月その発見したことは変わらなかったということだった。

東大の研究室で毎朝の一時間をお互いの日本語英語を勉強するために過ごした という先生がおっしゃったのは 彼には今風の言い回しを使いそうになるのを禁じたということだった。

パーティでお話しした学校の先生は きちんとしたこのような留学生を自分の学校に招く機会を作っていらっしゃるとの事。それは、帰国子女も多く含む学生に自分たちが身につけている能力を誤解せず大きな人物になって欲しいから とおっしゃっていらした。

1964年太田の我が家にアメリカから高校生を二ヶ月預かった時も 他のホストファミリーの中には ただ同じくらいの子供達と遊ぶだけの日々を送らせてしまった人や 周囲で英語を話せる人たちにすっかりその子をあずけてしまったひとたちもいた。

家の鍵を送ったという石垣島の方と話したが 今も預かる家による違いは変わっていないらしい。

どの人、家族 に巡り会うかはそれぞれが持った運によるかもしれないが 昨日 理想的な環境を提供された6人の話を聞いていても やはり 物事に対して斜に構えず向かい合う姿勢が一番多くのことを学ぶ道 と思えた。

横浜 二つの展示場

2015.3.5

小グループで 半日 横浜へ

カップヌードルミュージアム と原鉄道模型博物館 へ。

両方に縁続きの方がいらして親切な詳しい案内をいただく。

どちらも展示方法 内容ともに素晴らしく 訪ねた人は満足するに違いないと思う。

それぞれの館の基になっている人物、お二人の最晩年の映像を拝見すると 外界に対しての気持ち、興味の向けようが若々しさを発信しているのがよくわかった。

気持ちのよい小旅行だった。

関(の)扉 そして国政協のパーティー

2015.2.10

歌舞伎座昼の部 積恋雪関扉、つもるこいゆきのせきのと、今まで 話の進み具合に自分がついてゆけず 余り好きな演目ではなかった。

菊之助は今花だし、初めて幸四郎丈の芝居を良いと思った。

夕方久しぶりに国政協のパーティーへ。

小泉さんの頃 月一発行される新聞に、一度だけ と話をいただき、試験的に書の写真付き小文を書いたら
その新聞が終了になるまで3年7ヶ月続いた。

明日閉め切り とならないとどうしても書けない困った性格だとわかった。

まず自分の 使える作品があり、その文字に何かをこじつけて400字二枚にする作業だった。

シェイクスピアのせりふを取り上げた一年、周囲の方達を取り上げた一年、その他全て自分の心の中をあらためてのぞくことになった。

のんきなことばかり、好きな事を好き勝手に書かせて下さった協会に感謝している。

書き初め

2015.1.8

1月7日 6人のイギリスからの留学生の人たちと書き初めを

羊 をカタカナ ひらがな 楷書 草書 で。

皆初めての経験

自分の気持ちと筆が生み出す線が同じ物になる瞬間を体験する姿を見るのが嬉しい。

これを経験すると書が特別なものだということを納得し真摯な気持ちになってもらえる。

ごぼう そして いじわるばあさん

2014.12.27

展覧会のお礼状などが 周囲の方達にとても助けて頂いているのにも関わらず はかどらない。

いろいろなことを一緒にしようとする私の性格がいけない。

しかし用事がいろいろあって外出。

昨年末の30日 三越に買い出しに行って これで全部すんだ、 と思ったのに荷物預けで ごぼうを買うのを忘れた事に気づいた。

あわてて ‘少し待って下さい’ と預けた荷物はそのまま 奥の生鮮品売り場に戻り、無事に求めた一本の長いごぼうをすでに食料品で一杯になっているころころバッグに無理矢理詰め込んだのを見て 係の方が ’よく入るものですなー!’とおっしゃった。

今日はこの事を思い出し またこの年末銀座をバッグからごぼうの頭を出しておせち料理をいただきに歩かなくても良いようにそれだけは買っておこうと思った次第。

 

気になっていた いじわるばあさん のかるたを買う。

係のお嬢さんに ’これ私。’ と箱を指差すと ’はい そうです。 そうですか。 いえ そうではありません!’ と日本語のお授業のようになってしまった。すかさず そばのベテランの方が ’いじわるばあさん はおもしろいですね。 私は さざえさんより いじわるばあさんの方が好きでした。’と救いの手を差し伸べて下さった。

どうして世の中にはこう楽しい事がたくさんあるのかしら。

さて 箱を開けてみましょう。

引き出す

2014.12.7

1969年の12月7日誠次さんと私はパレスホテルで挙式した。

数十年後の同じ日 両国の回向院で葬儀をして頂いた時 町内会長さんが ふと ’奥さん ご覧なさい イチョウの木がとてもきれいですよ。’と教えて下さった。

堂内から正面にみた大銀杏の光り輝く葉の美しさがそれまでの思い出に被せられた。

一生心に残る事柄にこのような一瞬を心に引き出す というか引き入れて下さった方に感謝している。

 バーバラ ストライザンド

2014.11.22

汐留のレコード屋さんでStreisand Partners というCDを求める。

麻布台のお教室に通うのに カセットテープ からの曲を聞きながら墨田区の慰霊堂野境内を横切り隅田川を渡り 蔵前の駅まで歩いた事を思い出す。 いろいろな歌手とのデュエットで原曲とは違っているが 丁寧に 丁寧に歌われていて 曲の持つ説得力に圧倒される。

あさっての鳩居堂さんでの飾り付けへの準備のきりがない。

花を生けて下さる方の能力が素晴らしいので 毎回楽しみにしている。

大勢の皆様にお目にかかれるのは嬉しいことです。

どうぞいらしてくださいましね。

腹芸

2014.11.18

先日勧進帳を見た。

富樫があやしんで勧進帳をのぞこうとする時 なんと義経が 心配そうに振り向いてしまった。

そんなことをしたら 自分で自分が怪しまれる因を作ってしまうではないか。

富樫は出てきた時から甲高い声で節を付けて歌っている。頭がペコちゃん人形の動きをしたり体の左右が同じように上下に動く。

皆主役の弁慶あっての舞台ということを忘れているのではないか。

腹芸 という言葉を久しく聞かないことに気づく。

言葉にしてもらわなければ解らないではありませんか とはよく聞く台詞だが、

 

いつも常日頃 私が書いたり言ったりすることは訳が分からない と言われている身としては何も言う資格がないようだけれど、

 

普通の時代劇だってぺらぺらしたせりふや身の動きは似合わない。

歌舞伎で 並んでいる人たちがただ正面を向いて、リアクションをしないのは舞台を大きく見せるため と聞いて なるほど と思った事だった.

ただ 嬉しかったのは 主役の弁慶が11代にとても似ている表情をふと見せる事だった。

あの声 台詞回し 様子の良さ 懐かしい

 

 

 

幻想交響曲

2014.10.18

誠次さんが一番好きだ という幻想交響曲を1970年頃新宿厚生年金ホールに一緒に聞きに行った事がある。

ロジェストベンスキー という指揮者だった。

今日は 指揮 ハンスイェルク シェレンベルガー  新日本フィル。

細部まで丁寧に音がきちんとしていて 皆のめり込んで聞く様子が伝わってきた。

教会のベルの音が美しく自然で 隣にある教会の鐘の音が毎夕聞こえるパリのホテルが懐かしくなった。

2014.7.22

今年 11月25日から鳩居堂さんでの書作展のタイトル 異 です。

是非実物をご覧下さいますよう。

 

大徳寺法堂で音禅法要

2014.6.10

6月7日

音楽家 ツトムヤマシタ氏の音禅法要に

ここしばらくの 詰まった日程とあまりのお天気の悪さ に洋服で出席と決める。

三年前初めて同じ法要に出席した時は畳にきちんとお座りで 足が痺れなかったのが不思議だったが今回は椅子席なので何となく気楽になる。

周囲の私を思ってくださる方達が ”先生の着物と洋服姿には雲泥の差があるのだからきちんとしなくてはいけません” といつも言ってくださるのだが そのご好意に対して失礼してしまう事が多い。

法要が始まるのを待つ間 前回はシーン としていたのに 今回ざわついているのは椅子席の雰囲気の為か と 中身が大事とばかりは言っていられないことを実感。

暗い堂内、高い天井に龍の画、四方を開け緑の風が吹き渡る。

先ほど 初めて今宮神社を訪ね あぶり餅を両側のお店で公平に食べてみた。

小指の先位の小さな焼いたお餅が串に刺してありタレがかかっている。

一皿13本 二軒のお店で計26本 一つ一つ食べてはいられないので二三本一緒に口に入れてパクパクいただく。

後からのお店のほうが愛想は良いが味は今ひとつで 思わず通りをもう一度渡って ”大きな声では言えないけれどお宅のほうがずっと美味しい”と耳打ちしてしまった。

さすが いささか妙な後味になったことを 直後に伺った大仙院の大和尚様にお話ししたら、”あんた このことは人様には言わないほうがいい”とご忠告いただいてしまった。

さて 法要が始まります。

 

 

 

内から外へ

2014.6.6

6月に入って いつもよりバタバタ状態の毎日が続いている。

昨日はどうにもにぶい動きになってしまったので こういうときこそ鰻 と 4時半 恥ずかしさを忍んで暖簾をくぐったら なんと何人もテーブルについていた。おかしい時間にしっかりした食事をする人がいるのだと驚く。でもお昼を頂いた後 数時間で鰻 という私も人様からは驚かれるに違いない。

さて鰻の話ではなく

今日はイギリス湖水地方のハイアムホールで一週間の焼物のクラスを10年以上持っていらした道川省三先生と私の作品を展示しながらのお茶会があり 10人ほどのお客様三組の方々に道川先生とご一緒にいろいろお話ししたりご案内させて頂いた。

定められたお茶席を巡るお茶会と違い和気あいあい質疑応答など 三組それぞれの個性があり大変楽しかった。

道川先生が最後の組の時 先生の作品は内から外への力が特徴で それを身につけたいと外国での講習会には多くの人たちが参加する とおっしゃった。

書も芯がないものはただの麦わら棒 などなど師匠に言われ続けた私も 心から 身を以てこの意見に同意。

この認識だけでも嬉しい一日でした。

明日は京都 月曜に帰り火曜日虎ノ門ヒルズの内覧会 とまだしばらく興味津々の日々が続きます。

思い出しました。

2014.5.21

昨夕菊之助丈の鏡獅子の前半、観客が吸い寄せられるように シーン と緊張して舞台を見つめていた時、9列16番の若い男性が両手を組んで上にのばし思いっきり伸びをした。

うっかりするとだれることもある前半だが これは 将来 菊之助丈の鏡獅子を見た事がある と自慢する世代が出てくる、と、これからがとても楽しみになるような舞台だった。

無礼な9−16は少しメタボで黒髪だったのでもし外人だったら帰る時”あなたが何をやったか解るのか?” といおうか と思ったが 日本人と解り、 隣のガールフレンドか関係者が彼のことを恥ずかしいと思わないようなら それこそ恥ずかしい、それにしても、、、 といろいろ考えた。

今思い出したこと。

昔 偉い先生方のお茶会のお手伝いをした時  例によって、あちらに座る、誰が座る、とあららこららとご婦人方がしている時 誰かに呼ばれた留学生のグループがうるさかった。畳の上の彼らの前に行って座り何気なく ”しゃべっていると私があなたたちを蹴飛ばしてこの部屋から追い出すわよ” といったところ一瞬にして彼らが静かになった。

もし主催者側に私の言葉が聞こえたら 彼らが私をその部屋からキックアウト したことだろう。

9列16番は獅子になった後半を見て拍手をしていたが 遅い!!

 

蘭蝶 紀尾井ホール 富士松小照さん

2014.4.27

4月27日

第70回 富士松小照の新内を聴く会 へ

蘭蝶を聞く度に小照さんが変化していることが解る。

今日はお三味線に人間国宝の新内仲三郎丈を迎え聞く方の我等も背筋が伸びている感じ。

四谷で初めて逢うた時

そりゃ誰さんでも関はぬが、コレ此糸さん、お前はナア、お顔に似合わぬ恐ろしい恨めしいお人ぢやなあ

縁でこそあれ

などの聞かせどころを実に渋く 細やかに 丁寧に謡い上げられた。

これを聞いてしまうと この先跡を継げるような人が出るのか 恐れることなくこの道を進んでみようと思う人が出るのか と不安になってしまった。

良いものを見てしまった 知ってしまった者の幸せ そこを目指す遠い道

小照さんは 勉強 勉強 また勉強 とおっしゃっている。

 

ところで 今年の蘭の会 書作展 は11月25日から鳩居堂さんです。

“異” を念頭に置いています。