ヒェーッ!

2018.11.21

談志まつり の切符をいただきよみうりホール21日昼の部へ

中入りの後 談志師匠の1967年録音の平家物語題材の噺

私自身は談志師匠の噺には昔から別に興味もなく 師匠と一緒にラジオに出ていた方から 大した人だ と感心している話しを聞いていただけだった。

若い時の伸びやかな声での話しぶりを聞いてその力の大きさを思い知った。

この音源での出演の後に続いて舞台に出る噺家は大変 と 自身も言い、談志師匠の実際の舞台を一度しか聞いていないという出し物を談之助師匠が

どうしてやらないのかと聞いたところ 面白くないから と言うのが家元の答えだったそうな

オレンジ色の衣装の師匠が落語で講談を両膝を両手でバンバン叩きながら熱演する姿が 芸人の哀しみのように思えて引き込まれたところでその噺の盛り上がりになった。

大阪で育った武智鉄二氏は 子供の頃寄席で父親に 笑ってはいけない と言われたそうだが 私はラジオの寄席中継でどっとお客が笑うと 今の笑いには品がない と母がよく言うのを聞いて育った。

後でロビーに張り出された演目表で それが 五目講釈 と言う噺と知ったのだが

口調は立派な講談なのだが内容はしっちゃかめっちゃかでその歌舞伎の名場面などが 映画で見るニューヨークのパレードでの窓からの紙吹雪、一時の蜷川氏の舞台の桜吹雪 といった豪華さで言葉が降ってくる。

私はもうだめ状態で 一人で そう 一人で ヒーッとかひぇーっとか あらぬ声を張り上げ一人で拍手 周りは白けたかもしれないが かまっていられない。 どうしてみんな笑わないのよ と思う余裕もない。

内容 言葉を思い出すすべもなく 帰ってから便利なインターネットで調べると

江戸人が好んだパロディー落語 できたのは明治中期 この当時すでにあまり口演されなくなっていたのでは  とある

これはなんだ!!!

もし私がお金持だったら 家のお仏壇の前に談の助師匠を招きこの 五目講釈 を演じていただき仏様と私一人で聞きたいと

そうしたら嬉しくてお位牌がカタカタと音を立てるのではないか と思ったら涙が止まらなくなった。