3月14日
引窓の母親役と助六の後見で 市川右之助丈熱演。
ひょっとして引窓の主役は母なのではと思うくらい。
新蔵丈と共に長らく学習院国劇部のご指導をいただいている。
助六は前の歌舞伎座で最後に観た時より演者に馴染んできている。
場を踏むということなのだろう。
花道から離れた席だったので瞬間私が一番好きな11代目がそこに と見えることがあってこれが伝統芸 と嬉しかった。
いろいろ考え自分のものにしているが時にリアクションが 助六という古いゆったりしたリズムから外れる。
外部での新規観客獲得用演技との使い分けが必要と思われる。
兄 白酒売りに喧嘩の仕方を教える ”屋形船を蹴こむぞ” は悪くないが 11代目にはもっとほわっとした間があった。
家に帰ってはその仕草を一人で試し悦に入っていた頃が懐かしい。